神(天界)に生まれ変わる6つの実践方法
神々の世界(天界)へ行くことは、実はそう難しいことではないとされています。
話しは簡単で、神々と同じことを普段から行っていることだといいます。
「神々と同じ」といっても、肩肘はって緊張して、何か善行をしなくっちゃ!みたいに張り詰めた状態ではなく、ごくごく自然に普通に、喜び楽しい気持ちで日々を過ごし、他人に対しても接していくことだといいます。
で、実のところ、日本人の多くは、天人・神さま的な生き方をしていたりもします。
で、神々の世界である天界へ往く方法は「6つ」にまとめることができます。
このことは原始仏典で詳しく述べています。
が、つまるところ徳・善に根ざした生き方をすることになるんですね。
その6つとは、
- 浄めの徳の実践・・・心を浄め、欲をかきすぎたり、異常な怒りを持たない
- 喜びの徳の実践・・・常に元気でほがらかにして陽気であること
- 慈悲の徳の実践・・・生き物や物質にも感謝と愛情を持って接し続ける
- 施しの徳の実践・・・物質的にも精神的にも施し続ける
- 礼節の徳の実践・・・礼拝、礼儀、礼節を守り、うるわしい態度を守る
- 戒めの徳の実践・・・五戒、十善戒、八戒斎を守り自制する
となります。
これらのうち、どれか一つの徳目が身につくようになると、死後は天界へ生まれ変わることができるといわれています。
もちろん全部できることが望ましいのですが、まずは自分ができそうな徳目を一つ選んで、それから始めて、自分のモノにして身につけてゆくようにしたほうがいいですね。
では、これら6つの徳目を、以下、順を追ってご説明いたします。
「浄めの徳」の実践
最初の「浄めの徳」とは「心を浄めること」をいいます。心に穢(けがれ)が無いようにすることですね。欲をかきすぎたり、異常な怒りを持たないことでもあります。
神道でいうところの「天晴れ(あっぱれ)」です。
カラリとした心の状態。
スッキリ、シャッキリ、クリーンで、ツルリンとした清々しい状態ですね。
これが「心を浄めること」。
「浄めの徳」ですね。
神道の精神にも通じますが、仏教においては「浄めの徳」は最重要視している徳です。
そもそも心が不浄であると、穢(けが)れとなって、陰の気を招き、悩み迷いを生じます。
そうして欲をかきすぎるようになったり、怒りっぽくなったりします。
物事もスムースに進まなくなって、ゴツゴツとしてきます。
物心ともに、不遇、不幸という現象にまみえることも出てきます。
「心を清らかにする」ことはとても大事なことです。陰の気を出さない、持たない、漂わせないとも言えます。基本ですね。
で、心を清らかにすることで、今すぐ天界を実現できます。また亡くなった後、天界へ往生するようになると言われています。
「喜びの徳」の実践
次の「喜びの徳」とは、常に元気で、ほがらかで、陽気であることをいいます。
「心を浄めること」にも通じますが、「喜びの徳」は、陽気・明朗さ・明るさにフォーカスした表現といってもいいですね。
すがすがしさにフォーカスしたのが「浄めの徳」。
陽気やエネルギーにフォーカスしたのが「喜びの徳」。
こういう言い方もできるかと思います。
元気にあふれ、陽気発動して、明朗であることは、天界へ往き、天人となる要素です。
で、「喜びの徳」も、今すぐできることです。
「慈悲の徳」の実践
あと3つ目は「慈悲の徳」です。
生き物や物質にも感謝と愛情を持って接し続けることです。
いわゆる「無条件の愛の実践」ですね。
見返りや報酬を期待しない「愛の実践」。
「ほどこし」の根底にあるハートですね。
ええ、慈悲とは、「ハート」のことです。
ハートが大切といいますが、本当にそうなんですね。で、ハートこそが、天界へ転生できる最上の実践だったりします。
無条件の愛・慈しみの心(慈悲)がもたらす驚くべき11の効果
「施しの徳」の実践
あと、「施しの徳」です。
物質的にも精神的にも施しをし続けることですね。
ただし見返りや期待をしない純然たる「ほどこし」です。また笑顔で、喜びの気持ちで行うことが大切です。
逆にいいますと、ブスっとした表情で、嫌々、面倒臭がってやるんじゃあ徳にはなりません。
「施し」は、ともすると「行為」で評価されるところがありますが、本質は、そうじゃあないんですね。
「施し」をする際の「心の様」が大切です。
天人的な気持ちで、天界的な心の状態で、つまり「喜んで」「相手の幸せを感じて、思って」施しをすることが大切です。
この「ほどこし」「与える」ことを徹底して行い続けると、幸運エネルギーが蓄積されてくるようになります。
「ほどこし」の実践行でお金のかからない「無財の七施」といわれる徳行があります。
「無財の七施」は、施しの実践の本質を突いています。
「無財の七施」とは、
1.やさしいまなざし
2.にこやかな顔
3.思いやりのある言葉使い
4.自分の体を使って奉仕すること(無償のサービス)
5.気配りをしたり、他人の喜びを共有する
6.譲ること
7.快適な状態になるようにサービスすること
といった「ほどこし」の徳項です。
お金が一切かからず、その気になれば、誰でも今すぐにできることです。
「心の有り様」が大切なことがよくわかります。
http://www.bukkyouoshie.com/rinne/sekai.html
現代風に改めてみましたが、これが「無財の七施」ですね。
要は相手に心地よさを憶えさせるサービスです。
こうした「ほどこし」をしていますと、天人のような豊かで明るく、きよらかなオーラを発する存在になっていきます。
で、死後、本当に天界に往生するようになります。
純然たる「ほどこし」の実践をしていますと、現世で天人的になってきます。
物質的にも精神的にも「ほどこし」「サービスをする」をしていますと、人間関係がよくなる、信頼されるといった、とにかくメリットも大きいですね。
これをやらないのは人生をつまらなくするとも思いますね。
「礼節の徳」の実践
5番目の「礼節の徳」とは、文字通り「礼節」のことです。
礼儀、マナー、礼節といった行為も徳になります。
事実、原始仏典の一つである「天宮事経」という古いお経には、この「礼節の徳」を大切にしたところ、死後、天界に生まれ変わったことを数多く伝えています。
しかし現代では「礼節」というと、「慇懃無礼」とか「堅苦しい」といって、礼節は軽んじられる傾向です。
けれどもTOPに応じて、礼節を守るようにしますと、そこには奥ゆかしい気品と、すがすがしさが出てまいります。「礼節」の本質をいいますと、それは「姿勢」になります。
姿勢がいい。
シャキっとした立ち居振る舞い。
凛とした出で立ち。
慣習としてのマナー、礼節というのは、表面的になります。
「礼節の徳」の本質は「心の姿勢」。
それが、体の姿勢や立ち居振る舞いにも出てくるってことですね。
ゆるみ過ぎて「だらりん」とした様ではなく、いい塩梅でピシっとした凛とした「心の姿勢」。
これが「礼節の徳」になります。
「戒め徳」の実践(五戒を守る)
最後の「戒めの徳」です。
「戒めの徳」とは、五戒に集約されるように最低限のモラルを守ることですね。
五戒とは、
- 生き物をやたらと殺さない
- 与えられていないものを盗らない
- 嘘をつかない
- 不倫をしない(酷い言動をしない)
- 飲酒などし過ぎて前後不覚になることをしない
といったモラルと規範です。
徳に基づき、五戒を守ることを常としていれば、もう現世でも天界を実現できます。
あと「五戒(ごかい)」のほかに
「十善戒(じゅうぜんかい)」
「八戒斎(はっかいさい)」
というのもあります。
が、「五戒(ごかい)」が基本になります。
ただ現代では、また日本人は、モラルを守ることが浸透しています。
2500年前のインド人は(現代もそのようですが)、モラルすら守ることができないところがありましたので、仏教などでは「五戒」といって、最低限のモラルを示したと考えられます。
時代背景なども考慮しませんと、いたずらに原理主義や教条主義となり、かえって心を歪めてしまうことも出てきます。
さしずめ日本では、おおむねモラルは守られていますので、特別に気をつけたほうがよい項目があれば、気をつけるようにしたほうがいいと思います。
ちなみに仏典には、「五戒」を守ることで、死後、天界へ転生したケースがたくさん掲載されています。
要するに、最低限のモラルを守ることで、良い境涯となるといわかりやすくも重要な教えになりましょう。
悪徳に生きると不幸でつらい生命になる
以上の6つの実践が、天界へ転生できる方法だったりします。
先述の通りでして、この6つの項目のうち、どれか一つが身につくようになると、死後、天界へ生まれ変わることができます。
全部、できるようにするのが望ましいのですが、初めて取り組む場合は、まず自分ができそうな徳目を一つ選んで、それから始めることがお勧めです。
しかし逆に、もしも「浄め」「喜び」「慈悲」「施し」「礼節」「戒め」の徳に背くことをいつもしていれば、天界へ行くことはできなくなります。
それどことろか、将来、苦しみの多い人生を再現し、嫌な目に遭うことが多くなります。
・死後、いつも悩み苦しみ情緒不安定で陰気な「餓鬼(ガキ)」。
・恐れおののいて知性も働かない「畜生(動物)」。
・戦い競い合って傷つけ合うことが快感で喜びな「修羅(しゅら)」。
・常に恐怖や怒り恨み憎しみの業苦に責められる「地獄」。
といった状態になると言われています。
天界へ転生するよりも優れているのが「悟り」「解脱」
というわけでして、神々の住まわれる天界へのことと、この世界へ転生していく方法をご紹介しました。
ですが、神々といえども、寿命が来れば死んでしまいまた別の生命に転生していきます。
で、転生を永遠に続けていくわけですね。
そこで、この転生を二度としない方法を仏教では説きます。それが「悟り」「解脱」ですね。
「悟り」とは真理にひらけることをいいます。
「解脱」とは、完全なる悟りによって得られるもので、輪廻転生しないことになります。
仏教では「悟り」「解脱」の方法を述べています。
あるいは、アドヴァイタで述べています。
いろいろな説明の仕方もありますね。
が、要するに、究極の「涅槃」「真のアートマン」となることであって、これを実現するのが「戒定慧(かいじょうえ)」という三学の実践であったり、「本当の自分」「宇宙意識」「真我」「純粋意識」といった「意識」に開けていくことから始まります。
この実践の要諦は「今ここ」といったことになります。
「本当の自分」「宇宙意識」「真我」「純粋意識」を感じ取り、これへの「エーカガッタ(一境性)」を深めていくことになります。
- ラージャ・ヨーガ・・・涅槃との同一化を瞑想でトレーニングしていくことと
- ギャーナ・ヨーガ・・・真我探求を行うこと
- バクティ・ヨーガ・・・高次の存在へ献身的にしていくこと
- カルマ・ヨーガ・・・見返りのない善行を続けていくこと
- ハタ・ヨーガ・・・身体的なアプローチでエネルギーから開けていく方法
になってきます。
要するに「エゴマインド」とは異なる存在に
シフトしていく実践になりますね。