天界と五戒

さて、しばらく重たい話しが続いたので、ここからは明るい話しをしてまいりましょう。

地獄・餓鬼・畜生という暗く重たい話しは、やはりずっと聞いていると気も滅入ってくることでしょう。また戒をしてください、施をしてください、と言われてもどこか心が暗くなってしまっているかもしれません。

ですが、天界の話しや天界へ行く方法を知ると、安心感が出てくると思います。それとそれほど神経質になって戒・施と取り組まなくても良いことも分かってくると思います。

時々、ブログにも書いていますが、あまり神経質になったり、萎縮するのは、実はよくありません。

少しリラックスするくらいが丁度よくなります。地獄・餓鬼・畜生の話しを聞くと無意識のうちに恐怖心が出てきて緊張することもでてきます。

ですが、ここで整理しますが、地獄・餓鬼・畜生に行くのは

1.継続的に悪行をしてきた場合
2.心に強く焼き付くくらいの悪行をした場合
3.亡くなる前の心の状態が汚れているとき

に起こりやすいようです。
これを裏返しにとらえれば、リラックスして普通に生活をしていれば大丈夫であろうと思います。日々、念頭に置くといっても、いつも意識していると息苦しくもなりますので、戒を破らないような心の状態にしていくことが大切だと思います。

そして、天界へ行く方法こそ「五戒と布施を行う」ことになります。戒律と施行こそ天界へ転生するための秘訣になります。

もっとも仏教では、天界よりも涅槃に行く方法を説いて重んじます。

ですが五戒は仏道修行においても基本です。土台になります。ところで五戒、「べからず集」になっていますので、これをひっくり返して肯定的な意味としても良いかと思います。

・命を大切にする (生き物を殺さない)
・必要なものだけで満足する (盗まない)
・TPOを踏まえて本当のことを言う (嘘を言わない)
・倫理道徳に根ざした恋愛をする (不倫をしない)
・正常な判断力を保つようにする (酒を飲まない)

上記の表現は五戒の本質を押さえた肯定的な表現です。このように理解していっても良いかと思います。日本人は「~してはいけない」という表記を見るとどうしても抑圧になりやすいので、まずは肯定的な表記から理解していくのも良いかもしれません。

仏教では、原則的に無理や力みをともなって実践はしてまいりません。中庸というバランス感覚に基づいて行ってまいります。

ですので、戒もそうだと思います。こう言っては失礼ですが、悪行に染まっている方がいるなら、戒も大変だと思います。自分が取り組むことのできるところから行っていくのが実際的になるでしょう。

仏教は「取り組み方」が大切です。中庸の姿勢がポイントになってきます。

話しが天界へ行く前に、今までの話しのまとめのようになってしまいましたが、仏教が説く天界は、大きく分けて3つあります。それは、

・無色界梵天
・色界梵天
・六欲界

です。通常、神さま、天上界というのは、六欲界の神さまになります。六欲界の神々を越えると、創造主レベルのより大きな神である色界梵天や、心だけの生命である無色界梵天となります。

原始仏典には、これらの神々の特徴や、さらに神々になるための具体的な方法も書いてあります。梵天になる「本当の方法」もパーリ仏典には書いてあります。

こういったことを知りますと、神になる本当の方法やアプローチが分かり、大変勇気と希望も出てくるかと思います。知っていると知らないとでは天と地の開きもあると思います。

仏教が説く方法の中に葉、一般的に知られている方法や概念と、また違う点もあります。梵天になるのは難しいのですが、しかし途中までは仏教の修行法と同じな部分もあったりします。また先述の通り、神々になる方法が分かりますと、気持ちも明るくなりますし希望も出てくると思います。

こういった話しは追々、ご紹介してまいりたいと思います。