サンガ(僧伽)

仏法を学び実践するための集団です。三宝の一つであり、漢訳では僧伽(そうぎゃ)といいます。出家した比丘らが集うグループです。仏道修行における大切な集団です。

当時、こういったサンガがインドには、大小たくさんあったようです。

サンガは、和尚を含めた4人以上の出家比丘がいれば成立したようです。和尚となる方は完全な悟りを得た阿羅漢ですが、当時は、こういうった小さな出家集団がコロニーのように形成されていたようです。

中には、一生、お釈迦さまとも会わなかった修行者もいたようです。またお釈迦さまに会わなくても悟りを得た方もいらっしゃったうようです。

4人規模の集団もサンガでしたので、家族のような形ですね。パーリ経典には阿羅漢となった4名の集団生活についての描写もあります。

寡黙で身振り手ぶりで合図して、お互いが助け合い、相喜びあいながら微笑ましく共同生活している様が描かれ、お釈迦さまはその様子を見て誉めたたえた記録が残っています。

サンガにはいくつかの約束事もありますが、中でも年長者を敬う(修行が進んでいる者を敬う、出家した期間が長い者を敬う)という上下関係はしっかりと築かれていたようです。

上下関係といっても、上司が高圧的な態度に出るという野蛮なやり方や封建的でないことは言うまでもありません。仏教の場合は非常に洗練され、かつ上品で、四無量心に貫かれています。

最近の世の中では、タテの関係を否定して、目上、教えを請う人に対しても、タメ口をきいたり、友人関係に持ち込んだり、中にはなれ合う関係を持ちたがる傾向も出てきています。あるいは、親子でも友達のようになれ合うのが良いとか、溺愛するケースもあるようです。

こういうのが本能的におかしいと思えなくなっているのは、メディアの悪影響や歪んだ教育や思想の影響もあると思います。

日下公人さんではありませんが、現実にそぐわない平等観や変な教育、思想にかぶれ過ぎてしまっておかしくなっている、というのが起きていると思います。イデオロギーで本能が歪んでしまっているのでしょう。

仏教では、そういう変な概念や思想は持ち込まずに、人間がナチュラルかつ健全に集団活動ができるように序列を決めて運営をしていました。

それにしても4人以上いればサンガができたようです。当時は大集団で生活していたサンガもあったようですが、小規模のコロニーが各地で作られて、そこでひっそりと修行が行われた感じです。

現代でもタイやミャンマーの奥地では、昔ながらの自然の中で出家生活をされている方もいるようです。電気もない大自然の中で長年に修行していた出家修行者も知っています。